あの加藤とあの課長*SS集
そんなアッキーの言葉に背を押されて、アタシは渡米することにした。


唯一の気がかりだった源と陽萌を復縁させることもできたし、大満足だった。

なのに……。



「もっと、何か別の思惑が働いている気がするの…。」



予想外の形でそれはやってきた。



「陽萌の出向の裏に何があるのか、アタシは知ってる。」



何だかんだ勘の良い陽萌だから、その結論には難なくたどり着いた。


けれど、アタシにとって、歩が悪すぎる。

だって、相手がアッキーなんて……。



「正直、アタシにとって相手が悪すぎるわ。陽萌たちの味方をするには、相手に恩がありすぎるのよ。」



だから、アタシは中立の立場をとることにした。


なのに、渡米してからも、陽萌たちのことが頭から離れなくて。

気が付いたら、ケータイを取っていた。



結局、アタシはアッキーよりも、陽萌と源を取ってしまった。


だけど、後悔はしていない。

これでよかったと心の底から言える。


まあ例え、アタシが手を貸さなくとも、2人のことだもの。上手くやったはずだわ。



ただ……、次に会うときまでに、好い人を見つけなきゃ、とは、思ったけどね。
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