あの加藤とあの課長*SS集
それからなんとか…、まあ強引なんだけど、陽萌と再会して。

そして今、彼女は目の前にいる。


ポニーテールに眼鏡をかけて、リズミカルにパソコンのキーボードを叩く。


ごめんね、迷惑だよね?
でも、こうでもしなきゃ君といられないから。

たまーに俺と話してくれる陽萌は、本当あの頃のまま。



この数年間で、俺はやっと陽萌が言ってた意味が分かったんだよ。


俺が駄目になるって。

付き合いもいい加減で、陽萌がこの世のすべてだったあの頃。

そんなんじゃ、駄目だよな。



そうやってなんだかんだと俺のことを考えてくれる陽萌はいい女で。


口で言ってくれればよかったのにと思いもしたけど、あの頃の俺はいろいろ可笑しかったから、たぶん聞く耳を持たなかっただろう。

陽萌はそれすらも見抜いていた。
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