あの加藤とあの課長*SS集
「何や何や、やーっぱり陽萌ちゃんも恵也がええんやーっ!」



と泣き真似をする。


今は放課後で、皆が集まるのを、溜まり場である多目的室で待っていた。

ここは溜まり場だけでなく、集合場所としても活躍している。



「は? 何の話や。」

「昼間とか、お前の誘いに乗ったやん!」

「偶然やないか?」



実際は、どうなんかよう分からへんけど。



「いや、それならそれでもええ! そしたら陽萌ちゃんとずっと一緒におれるやん! なあ!?」



と俺を見る。

そんなん、知らん。つーか、もしも付き合うとかなったら、ガンタの側になんて置かん。



「開き直り方可笑しいやろ。」



と他の奴が突っ込む。

ゲラゲラと笑いが起こったその教室に、ドアが開く音がして誰かが入って来た。


全員の目がソイツに向けられる。



「…あの。」

「煌やん。」



その人物は、煌だった。想定外の人物に、教室にいた全員が沈黙した。

唯一冷静だったのは、俺だ。



「来ると思とった。」

「へぇ…。勘良いんっすね。」

「アホ、頭がええんや。」



床に目を向けてクッと笑うと、そのまま俺を真っ直ぐに見た。
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