あの加藤とあの課長*SS集
「あの人の次は、アンタ?」



ガンタに視線を向けた後、俺に視線を向ける。

その意味は、聞かずとも分かる。



「…かも知らんなぁ。」

「ふーん…。」

「お兄ちゃんんんんんん!」



と煌に泣き付くガンタ。

そんなガンタに冷めた視線を向け、思いっ切り遠慮なく溜め息を吐く煌。



「いつもこうなんすか?」



とガンタを指差しながら俺に尋ねる。



「まぁ、そういうキャラやし。」

「大変っすね。」

「それなりにな。」



ガンタはそんな俺らを拗ねたように睨みつけると、隅でいじけ始めた。

それより、コイツは何をしに来たんや。


探るように見る俺に気が付いた煌は、表情を引き締め、口を開いた。



「アンタらに、訊きたいことがあんだけど。」



その表情は、初めてガンタが煌に声を掛けたときと同じ表情。

あれは、大事なものを守ろうとするときの顔。




「陽萌のこと、本気っすか?」



その言葉に、ガンタはふざけるのを止めた。

俺はというと、何も言わずに視線を床に向け、頭をガシガシと掻いた。



「俺は、本気や!」



そう言い切ったガンタ。

だけど、日頃のアイツを知っている俺にとっては、説得力無し。
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