あの加藤とあの課長*SS集
そんな毎日を繰り返していたある日、フラッと適当に入ったバーに、その人はいた。
「やぁ、隣、いいかな?」
顔を向けると、質の良さそうなスーツを少し気崩したダンディなおじ様が。
40…? いや、30…。
そんなことを考えながら、「どうぞ」と隣の席を手で示した。
「ありがとう。」
そう言う彼からは、品の良さが漂う。
(あらー、いいとこ勤めかしら。)
なんて思いながら手元のカクテルをグイッと煽った。
今のアタシはスーツ姿。一応ちゃんと年に似合わず就活してんのよ、就活。
だからナンパとか有り得ないし。
(まあ、女の格好しててもナンパなんてされないけどね…。……枯れてきてんのね…。)
「仕事帰りかね?」
「……。」
見るからにお金を持っていそうなこの人に身の上話をするのは気が引けたけど。
別に、これっきりだし。
そう思って、クビになったこと、新しい働き口を探していることを話した。
「ほぅ…、それは大変だねえ。」
と柔らかく笑う。
どうにもこうにもひねくれているアタシには、それが余裕の発言にしか聞こえなくて。
ふん、と鼻を鳴らしてしまった。
「やぁ、隣、いいかな?」
顔を向けると、質の良さそうなスーツを少し気崩したダンディなおじ様が。
40…? いや、30…。
そんなことを考えながら、「どうぞ」と隣の席を手で示した。
「ありがとう。」
そう言う彼からは、品の良さが漂う。
(あらー、いいとこ勤めかしら。)
なんて思いながら手元のカクテルをグイッと煽った。
今のアタシはスーツ姿。一応ちゃんと年に似合わず就活してんのよ、就活。
だからナンパとか有り得ないし。
(まあ、女の格好しててもナンパなんてされないけどね…。……枯れてきてんのね…。)
「仕事帰りかね?」
「……。」
見るからにお金を持っていそうなこの人に身の上話をするのは気が引けたけど。
別に、これっきりだし。
そう思って、クビになったこと、新しい働き口を探していることを話した。
「ほぅ…、それは大変だねえ。」
と柔らかく笑う。
どうにもこうにもひねくれているアタシには、それが余裕の発言にしか聞こえなくて。
ふん、と鼻を鳴らしてしまった。