飛ばない蝶は、花束の中に
…お兄ちゃんは……
………もう、大人だし。
今まで考えもしなかったけど。
じりじりと照りつける太陽が、私の周りから突然消えたような、ぞくりとした、寒さ。
私が17歳になったんだから。
お兄ちゃんは?
………待って。
彼女ですらなく…結婚してたらどうしよう。
全然、不思議じゃない年齢だ。
カタカタと。
恐怖のような、苛立ちのような、不快感と不安感に、膝が震えた。
私は“妹”なんだから、堂々としていればいい。
大丈夫。
誰がいても、お兄ちゃんは私のだもの。
私の…だもの!!