sakura
はじまり
わたしはみんなと違う
みんな漆黒の髪に茶色い瞳
わたし以外の人はね
わたしの髪は桜の木の幹みたいな茶色
陽にあたると黄金色に輝き
背中の真ん中まで波打つ髪
肌はどんなに陽を浴びても白く
桜色の頬と唇
そして新緑のような緑の瞳
だから名づけられた
「あなたは桜のように美しいからさくらとつけたのよ。」
自分がみんなと違うことを聞くと母はいつもそう答えた