I got a love!?~私が恋に落ちたら~
翌日。
「えー、まちこ。見てみアレ。」
若菜が私の脇を小突いて視線の先を見るように促す。
親友の金城若菜は、可愛いのに。
なのに、女の子っぽいのが嫌とか何とかで
ベリーショートのボーイッシュで、言葉遣いもガサツで、なんか...
男っぽい。
本当にもったいない。
残念。残念...美人。と言ったところかな。
若菜の視線の先に居たのは、
男の子。
「アレが何よ?」
私は眉を潜めながら若菜を見た。
実を言うと、私は視力が弱くて、
はっきりと物が見えない。
「はー!?見えないわけ!?転校生よ、転校生!」
えっ....転校生?
「しかもなんか...女子が好きそうな顔してるよ。」
オイ。おまえも女だろ。
というツッコミはさておき...
転校生か。
ふーん。
あれ?今、なんか一瞬、転校生と目が合った気がする。
気のせいかな。
あーあ、こんなに目が悪くなるなら、
友達のメガネなんて借りなければよかった。
メガネに憧れていた私は友達のメガネをかけて、遊んでいたことがあった。
私はもう一度、転校生をよく見ようと、何度も目を細めるのだった。
ダメだ。見えない。
それにしても色黒の転校生だなぁ。