Endless holiday
(ちょ、どういうこと?)


早く滑れるようになった方が教えるっていう約束を忘れたわけじゃあるまい……。



「おい絵里菜、池田なんかほっといて俺たちと滑ろうぜ」



すかさず淳が口をはさむ。


「そうは行かないわ。私は面倒見が良いので有名なんだから、一人だけ滑れない池田くんをほっとけるわけないじゃない」


それに対して、よもやそんな台詞が出るとは……と、驚くようなことを絵里菜が言った。


「じゃあ行くわよ」


絵里菜は知り合って以来、初めて俺に向かって笑顔でそう言うと、リフトに向かって歩き始める。


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