Endless holiday
「ああ、そうか。そうだよね」


確かに言われて見ればその通りで、スピード競争をしているのではないのだから、スロープに対して垂直に真っ直ぐ滑り降りると、スピードが出過ぎる。


だから怖くて腰が引けて、転んでばっかりいたのかもしれない。


「じゃあ滑ってみて」


絵里菜が微笑む。


元々美人なだけに、いつも冷たいイメージしかなかった絵里菜が、初めて見せた優しい笑顔に、一騎の胸がドキッとした。

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