ハッピーエンドのない恋
あの頃から

少女マンガ



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『私、ずっと前から健くんが好きでした!』

健くんはかっこよくてみんなにモテる。
だから、この告白の答えなんてもちろん………

『俺……俺さ!お前のことずっといいなぁって思ってたんだ。俺もお前のこと好きだ、付き合おう。』

『……え?…ほんとに?』
『ここで嘘言ってどうすんだよ?』
『うれしい!』

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ブーブーブーブーーーー
もー、うるさいなぁ…

「はい、もしもし?」
『やっと出た!あやか。今なにしてんの?』
「なんだ、まいか。あんたが読めってうるさいからマンガ読んでんの!」

電話の相手は近藤まい。
高校入ってすぐに仲良くなった友達。

『やっと読んでくれてるんだー!どう?面白いでしょ?』
「全然!やっぱりあたしは少女マンガは苦手!つーか嫌い!必ずハッピーエンドだし!」
『それがいいのにー。あやかには分からないんだ!(泣)』
「わかんないわかんない。もー切るよ?じゃーねっ」

ピッ

あたし、中野彩夏は
少女マンガが世界で一番嫌いです。

モテモテの男の子に片思いする普通の女の子。
叶うはずのない恋が実は両想いで。
最後は必ずハッピーエンド。

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