うな金


私、金田めぐみは絶叫した。


「え⁉高くない?」


もう一回。


だってだってだって、あり得ない値段だわ。


いくら鰻が高騰しているからって、近所のスーパー、しかも中国産のくせに。


「高い。高いわよね?」


見ず知らずの主婦に同意を求める。


「ホントねぇ」


「こんなんじゃ買えないわよね‼」


ここは主婦層が一丸となって暴動を起こせば、なんとかなるのではないか‼


めぐみの鼻息は荒いが、世の中の格差はもっと荒い。


「じゃ」


と、主婦は鰻をカゴに入れた。


入れやがった‼


さすが、私の見切り品ばかり入ったスッカスカのカゴとは違う。


でもでもでも。


うちは家族6人だから、もうバス旅行行けちゃうくらいの合計になる。


もちろん、私、めぐみの一人旅ですけれどね☆


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