カラフルデイズ―彼の指先に触れられて―
「でも、その目はまだ揺らいでる」
まだ、私は他人に影響を受けて、ひきずってるの?
森尾さんの「若い子」っていうのと、梨木の「もったいない」っていうのと。
神宮司さんの「最後のチャンス」。
あれきりのままの要との現状――。
「それって、俺にも好機がまだあるってことだろ?」
切って捨てられないのは、今、一人になるのが怖いから……?
誰でもいいってわけじゃない。むしろ、心に存在する人は確定してるのに。
うまくいくかわからないから、キープでもしてるみたいじゃない。
どんどんと脆さや狡さが露わになってきて、そんな自分がイヤなのに、すぐに更生できない。
「迷っていい。俺が、最後に選ばせればいいんだから」
神宮司さんていう人は、ハッタリでも『自信満々』な様子で相手に言葉を吹っ掛ける。
それを知ってる私なのに、今回のこととなると、容易くそのハッタリに掻き乱される。
「じゃ、今日は月曜だし、疲れたろ?」
真剣な顔から、ふっと優しい笑みに変えて、軽く頭をポンポンと叩かれる。
席を立った神宮司さんを見上げるのと同時に、彼が私の頭にキスを落とした。
「また、連絡する」
この曖昧な状態をハッキリと出来なかったのは、全部私の弱さだ。
やっぱり、私の視界はモノクロだ。