カラフルデイズ―彼の指先に触れられて―
side本庄要
*
「ええー。本当にもう帰るの? ホントに、それ取りに来ただけ??」
美央の言葉に見向きもせず、オレは玄関で靴を履く。
「やりかけのものがあるから」
「ふーん……あーあ。せっかくゴハン奢ってもらえるかと思ったのに!」
「そんなことだろうと思った。悪いけど、それはまた今度」
「『今度』? それ、忘れないでね!」
「まったく。もう少しバイトとかしたら?」
「学生はいそがしーんだもーん」
いつもの上等な言い訳を聞き流しながら、美央のアパートを出て車に向かう。
大きな荷物を、そっと後部座席へ預けると、運転席に乗り込んだ。
美央は本当自由だな。
……ああ、そういう自分もまぁ、同じようなモンか。
キーを差し込むため前傾姿勢になったとき、フロントガラスからの月明かりに目を奪われる。
控えめに光る月の色がブロンドに見えて、ずっとそのやさしい光に見守られながら車を走らせてると、少し気持ちが和んだ。
「ええー。本当にもう帰るの? ホントに、それ取りに来ただけ??」
美央の言葉に見向きもせず、オレは玄関で靴を履く。
「やりかけのものがあるから」
「ふーん……あーあ。せっかくゴハン奢ってもらえるかと思ったのに!」
「そんなことだろうと思った。悪いけど、それはまた今度」
「『今度』? それ、忘れないでね!」
「まったく。もう少しバイトとかしたら?」
「学生はいそがしーんだもーん」
いつもの上等な言い訳を聞き流しながら、美央のアパートを出て車に向かう。
大きな荷物を、そっと後部座席へ預けると、運転席に乗り込んだ。
美央は本当自由だな。
……ああ、そういう自分もまぁ、同じようなモンか。
キーを差し込むため前傾姿勢になったとき、フロントガラスからの月明かりに目を奪われる。
控えめに光る月の色がブロンドに見えて、ずっとそのやさしい光に見守られながら車を走らせてると、少し気持ちが和んだ。