カラフルデイズ―彼の指先に触れられて―

「じゃあ、私が“初めて”、ね?」


いつか要に言われたように、そっくりそのまま言ってやる。
きょとん、とした要の顔がみるみる自然な笑顔に変わっていった。


「そう。“初めて”。……こんなふうに愛するのも」
「――――ふ………っ」


瞳に輝きを取り戻した要に、激しく唇を奪われる。

下から潜り込むようにしてきた要の手は、繊細に私の胸を愛撫する。
パンツスーツがフローリングにバサッと落とされたときには、すでにブラウスもデスクの上で波打っていて、私はただ要の手に集中していた。


「……名前の通りだ。雪みたいに白くて綺麗」
「もうとっくにっ……“曲がり角”は過ぎ、た……あぁっ……」


細くてしなやかな要の指に踊らされるように、デスクの上で恥ずかしくなるほどの嬌声をあげてしまう。
時折動いたときに舞う、ブルーのペンで描かれた紙を視界の隅に見ながら、懸命に要にしがみつく。

薄らと目を開けて次に見たのは、私を上目遣いの色っぽい顔の要。
その顔に、どうしようもなく情欲を掻きたてられる。

彼の優しい手がするりと太腿に移動して、ツッと撫でながら押し開く。
要の重みを身体で感じると、愛おしさで心も満たされる。


「それはオレが決めること……っ」


刹那、綺麗な顔が眉根を寄せて、苦しそうに歪んで見えた。


「かな……あ、ああっ!」


同時に、自分も同じように目をぎゅっと瞑ってシャツ越しの背中に爪を立てる。

1度目に身体を重ねたときは、かなり酔っていたけど、素面の今もまるで酔っている感覚に陥る。
熱くて、力が入らなくなって、蕩けそう。


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