カラフルデイズ―彼の指先に触れられて―
潤んだ瞳を要に向けると、目が合って、濡れた唇にキスを落とされた。
「美雪の肌っ……も、髪も――――全部が……気持ちいい」
それは私も同じことを思った。
まるで全身が性感帯になってしまってるような――……。
「言い訳じゃ、ない、けど……っ」
「――え……?」
「――我慢出来ない」
昂ぶっていく要を五感で感じると、自身も同じように高みに昇っていく。
押し寄せる波に、必死に皺の寄った乱れた彼のシャツを掴むけど、とっくに我慢の限界を越えてる。
「や、あっ、ダメッ……も、いっ……」
要が小さく身震いするのと同時に、私も体を仰け反らせるようにして声を上げた。
頬をくすぐる要の髪に、はじめて幸せを感じた気がした。
私の首筋に顔を埋めるようにしたまま、要は動かない。
不思議に思って頭に触れようかと動かした手が、容易く彼のなめらかな指に捕まった。
「……反則」
囁かれるように耳元で聞こえる声。
そんなことでいちいち胸を締め付けられてたら、この先一体どうなるのよ、私。
「……どうして」
一呼吸置いて、声が上ずったりしないように、敢えて低めのトーンで返す。
すると要は唇を耳に当てて答えた。
「耳元であんなふうに声出されたら、誰だって余裕なくなるよ」
――それ、わざと?! あんたの元々の艶っぽい声を、さらに濃厚にしたような音。それをこの至近距離で聞かされて、平静を保てるわけないじゃない!