カラフルデイズ―彼の指先に触れられて―
*
「それにしても、コレ、一体どうしたの?」
衣服を整えた私は、改めてデスクを眺めて言った。
「オレの愛」
「はぁ?!」
もう元に戻ってる……! わけわかんないことばっかり言って、一人で満足そうに笑う、生意気なヤツに!
携帯を充電器に接続しながら、要が目を優しく細めてクスリと笑う。
「本当だよ? 美雪を想って描いてたんだから。だからあっという間に使いきっちゃったよ、あのライトブルーは」
「あ……」
そうだ。要の“特別”。ライトブルーのダーマトグラフ。
あれが廃番になったって、店頭で気付いたときはかなり衝撃だっただろうな……私から伝えればよかったのかもしれない。
なんとなく、廃番の件は私が決めたことではなくても、私の会社のことだと思うと、掛ける言葉が見つからない。
押し黙ってしまった私が目を伏せると、ふわりと柔らかい感触が唇に触れた。
「どこまでも真っ直ぐだな、美雪は。その凛とした感じと、名前の雪が合わさって……オレの中でのイメージカラー」
軟らめの芯で出来た色鉛筆を手に言うと、空いた片手を耳の上から髪にさし込む。
額がぶつかり合うくらいのところで、私たちは視線を交錯させた。
「……私、そんな可愛らしい色でおさまらないと思うけど」
「えー? そう? 逆じゃない? いつもはもっと濃くてパンチのある色だけど、裸にした美雪はこんな感じだよ」
「はっ……だか、って!!」
「あ! “心が”って意味だったのに、美雪なんかやらしー想像した」
あんたが言うと、やらしく聞こえるのよっ。
また、いつものように私は自然と手を軽く振り上げ、それをいとも簡単に止められて。
そうしておさまるのは彼の指の間。
ああ、もう。
どれだけ私を翻弄させるのよ。ほんと、むかつくわ。
さりげなく手を絡まれただけで、パステルカラーのように穏やかな気持ちで、ふわふわとしてしまう。
「それにしても、コレ、一体どうしたの?」
衣服を整えた私は、改めてデスクを眺めて言った。
「オレの愛」
「はぁ?!」
もう元に戻ってる……! わけわかんないことばっかり言って、一人で満足そうに笑う、生意気なヤツに!
携帯を充電器に接続しながら、要が目を優しく細めてクスリと笑う。
「本当だよ? 美雪を想って描いてたんだから。だからあっという間に使いきっちゃったよ、あのライトブルーは」
「あ……」
そうだ。要の“特別”。ライトブルーのダーマトグラフ。
あれが廃番になったって、店頭で気付いたときはかなり衝撃だっただろうな……私から伝えればよかったのかもしれない。
なんとなく、廃番の件は私が決めたことではなくても、私の会社のことだと思うと、掛ける言葉が見つからない。
押し黙ってしまった私が目を伏せると、ふわりと柔らかい感触が唇に触れた。
「どこまでも真っ直ぐだな、美雪は。その凛とした感じと、名前の雪が合わさって……オレの中でのイメージカラー」
軟らめの芯で出来た色鉛筆を手に言うと、空いた片手を耳の上から髪にさし込む。
額がぶつかり合うくらいのところで、私たちは視線を交錯させた。
「……私、そんな可愛らしい色でおさまらないと思うけど」
「えー? そう? 逆じゃない? いつもはもっと濃くてパンチのある色だけど、裸にした美雪はこんな感じだよ」
「はっ……だか、って!!」
「あ! “心が”って意味だったのに、美雪なんかやらしー想像した」
あんたが言うと、やらしく聞こえるのよっ。
また、いつものように私は自然と手を軽く振り上げ、それをいとも簡単に止められて。
そうしておさまるのは彼の指の間。
ああ、もう。
どれだけ私を翻弄させるのよ。ほんと、むかつくわ。
さりげなく手を絡まれただけで、パステルカラーのように穏やかな気持ちで、ふわふわとしてしまう。