私と貴方とあの子と・・・【完】




太陽が彼に差し込んで、気持ちよさそうに寝ている。

折角気持ちよさそうにしているから、そのままにしといてあげたいが、香坂君も二限に講義があるかもしれない。

申し訳なく思いながら
「香坂君」と肩を揺らして呼ぶ。



「・・・・・」


呼んでも揺らしても起きない彼。



「香坂君」


「ねえ、一限終わったよ」


「起きて。香坂君」



呼びかけても反応すらしない。
彼から聞こえるのは吐息だけ。










「・・・・郁斗」



























































「なあに?」









『香坂君』じゃなくて『郁斗』と呼んだらすんなり起きた彼。





私をうつ伏せになりながら、目を開けて私を見る顔は、

太陽の暖かさに負けないくらい笑顔だった。



 
< 12 / 65 >

この作品をシェア

pagetop