私と貴方とあの子と・・・【完】
太陽が彼に差し込んで、気持ちよさそうに寝ている。
折角気持ちよさそうにしているから、そのままにしといてあげたいが、香坂君も二限に講義があるかもしれない。
申し訳なく思いながら
「香坂君」と肩を揺らして呼ぶ。
「・・・・・」
呼んでも揺らしても起きない彼。
「香坂君」
「ねえ、一限終わったよ」
「起きて。香坂君」
呼びかけても反応すらしない。
彼から聞こえるのは吐息だけ。
「・・・・郁斗」
「なあに?」
『香坂君』じゃなくて『郁斗』と呼んだらすんなり起きた彼。
私をうつ伏せになりながら、目を開けて私を見る顔は、
太陽の暖かさに負けないくらい笑顔だった。