私と貴方とあの子と・・・【完】
「・・・そ・・・そうなんだ~」
うそ。本当は予感していたんだ。
「何だか話してみたら話しやすいし、ちゃんと答えてくれたし」
郁を思い出しているのだろうか・・・少し頬が赤い楓。
恋する女の子なんだななんて冷静に思った。
この後に私が言う言葉を私は分かっている。
高校生の時だって、他校の生徒に恋する友達に言った。
その時はすんなり言えたのに・・・
今回は言葉が詰まる。
一度深呼吸をして・・・
そして私は言葉を出す。
「上手くいくと良いね」
なんとか言えた言葉は他人行儀だろう。
でも楓は、
「うん。頑張る」
自分で頑張る決意をした。