私と貴方とあの子と・・・【完】
「おはよう。楓」
何も無いように話す私は白々しいだろうか。
だが、私の黒い部分には気づかない楓は、私たちの目の前に座ると、
「昨日レポート徹夜だった~」
なんて疲れた顔で言う。
私は2人の邪魔をしない様に・・・というか楓の邪魔をしない様に課題に集中し、
楓は郁と仲良くなりたくて話しかけ、
話しかけられる郁は、時々困ったような苦笑いをしながらも楓に答える。
どのくらい時間がたっただろう・・・
「いたいた!郁斗~」
人が疎らにしかいないカフェテリアに大きな男の声が響く。
それは郁を呼んでいて。
郁本人も、話していた楓も、課題をしてた私でさえ、
その声につられて入り口を見る。