私と貴方とあの子と・・・【完】
直ぐに切り替えて郁に声を掛ける風間君。
「え~暇じゃないから」
ちょっと面倒そうな顔をして郁はバッサリと断った。
「前にこいつに『暇だから』って誘われて出掛けたら、人がいっぱい居る飲み会に連れてかれたんだよね」
私が郁の面倒そうな顔を分かったように、郁も私が疑問に思っているのを分かったようで、
私の方を向いて苦笑いになりながら教えてくれた。
「ちょっとダシにしただけじゃん」
悪気なく言う風間君を見て察した。
郁は学園で人気がある。
つまり『郁が飲み会に来る』と言えば参加する女子は多いようで。
風間君は飲み会の人集めに郁を使ったのだ。
「も~いいよ。自力で集めるよ」
郁を使う事を諦めた風間君は、私と楓の顔を交互に見る。
「あ!そうだ!桃花ちゃんと楓ちゃん、飲み会来ない?
大学の色々な人が来るから親睦深めるのに良いよ~」
今度はストレートな誘いが私たちに来る。
・・・親睦か・・
それは少し魅力的だ。
この大学に入って、同じ講義に出る人と少しずつは仲良くなっているが、
サークルに入ってない私には、閉鎖的な人間関係になりつつあって、今後の為に人脈を増やすのに良いかもしれない。