私と貴方とあの子と・・・【完】





「私、参加しても良いかな?」


おずおずと風間君に言えば、風間君はニッコリ笑ったが、

横から『ハッ!?』と、少し慌てたような声がする。

その『ハッ』は、馬鹿にした口調じゃなくて驚いた口調だ。





「郁?」





声を上げた郁に向き直れば、
何かを考えるようなそぶりをして風間君に向き直った。



「竜也、やっぱり俺も参加する」



何故か気が変わったのか・・・急に参加すると言い出した郁に、すかさず楓も『じゃあ私も!』と言った。





「ほう。人を集めるにはまず桃花ちゃんか。覚えとこう」


意味深な笑い方で意味深な事を呟いた竜也君は、

「じゃあ参照決まったら伝えるからアド教えて!」

と、スマホを取り出す。


そこで『あ』と声を上げたのは私と郁。




今更気づいたが、
私と郁は知り合いであり、時々この時間を共有する関係だが、連絡先交換と言うものをしていなかったのだ。

まあ、大して用事は無いから必要無かったのだが、
ここに来て『知らなかったのだな』と気づく。



 
< 25 / 65 >

この作品をシェア

pagetop