私と貴方とあの子と・・・【完】
「私、参加しても良いかな?」
おずおずと風間君に言えば、風間君はニッコリ笑ったが、
横から『ハッ!?』と、少し慌てたような声がする。
その『ハッ』は、馬鹿にした口調じゃなくて驚いた口調だ。
「郁?」
声を上げた郁に向き直れば、
何かを考えるようなそぶりをして風間君に向き直った。
「竜也、やっぱり俺も参加する」
何故か気が変わったのか・・・急に参加すると言い出した郁に、すかさず楓も『じゃあ私も!』と言った。
「ほう。人を集めるにはまず桃花ちゃんか。覚えとこう」
意味深な笑い方で意味深な事を呟いた竜也君は、
「じゃあ参照決まったら伝えるからアド教えて!」
と、スマホを取り出す。
そこで『あ』と声を上げたのは私と郁。
今更気づいたが、
私と郁は知り合いであり、時々この時間を共有する関係だが、連絡先交換と言うものをしていなかったのだ。
まあ、大して用事は無いから必要無かったのだが、
ここに来て『知らなかったのだな』と気づく。