私と貴方とあの子と・・・【完】
座布団の上に座れば、
気配を感じた隣の男の子が『あっどーも』なんて愛想よく挨拶してくれた。
「ど、どーも」
緊張しながらも答えれば、『何飲む?』なんてメニュー表を渡された。
周りを見回せば、動き回って皆に挨拶し、盛り上げる風間君。
楓は奥の方の席に居て『初めまして~』なんて隣の人へ挨拶している。
郁は・・・こちらへ向かってたところで、腕を引っ張られたらしく女子が沢山いる席に座った。
それぞれ飲み物が到着し、乾杯をした後には皆近くの人と話始める。
私も同じテーブルの人たちに話しかけられて、答えてはいたが、緊張から苦笑いになってしまった。
同じ男でも郁と隣の時は居心地良いのに、今日は身体が固くなる。
私の中で『郁と他の男の子は違うんだな』なんて思い知らされた。
ちらっと目線を動かせば、席を移動した楓が郁の隣に居るのが分かった。
郁と楓が仲良くなるチャンスに、友達なら本来喜んで上げなきゃなのに、気持ちがソワソワする。
柄にもなく『何の話しているんだろう?』なんて気になってしまう。
いけないいけない。
友達の好きな人を気にしてしまうのはタブーだ。
・・・気にする?
私・・・・・・・・・・何を考えてるの?