私と貴方とあの子と・・・【完】
「ん~」
眠っていた男の子は目を開けて、目の前に迫ってきた女の子を見た。
「今さっき、着いたんだけどね、皆から郁斗倒れたって聞いて驚いたよ!
これね、私が作ったお弁当!食べてね!それでね私ー」
けが人を・・・しかも脳震盪を起こして倒れていた人にマシンガントークをする女の子。
「あの・・・脳震盪起こしてるから、あまりうるさくしない方が・・・」
私もどう言ったら良いのか分からず恐る恐る言えば、
キッと睨む女の子。
「は?なにお前。関係ないじゃん。黙っててくれる?
郁斗ぉ~私ね、郁斗の為に徹夜してお守り作ったの~」
・・・・・・今時の子怖い・・・
私は暫く唖然と見ていたが、
先生がその内戻って来たので救護室を出た。
・・・・・・ボールが弾む音がする。
目を開けばそこはベンチで、
ああ、眠っていたんだなと思った。