私と貴方とあの子と・・・【完】
去年の事を夢で見た。
思い出したよ。
私は郁に去年会った。
郁はそれを覚えていてくれた。
あの時脳震盪を起こしていたのは郁だったんだ。
郁は『一年前から郁は桃を好きです』と書いていた。
つまりはあの時からなのだろうか・・・。
夢からまだ冷めない頭でボーっと空を見上げれば、
突然目の前に顔が出てきた。
「桃花!探したよ!」
眉を上げて言うのは楓で。
私は、少し怒った顔の楓に首を傾げる。
と、楓は私の隣にストンと座った。
「桃花、私郁斗君に振られたよ」
それは突然の告白で、ガッと楓の顔を見る。