私と貴方とあの子と・・・【完】
7限目
やっと着いた救護室で、私は息を整える。
郁は眠っているだろうから、静かに・・・音を立てない様に・・・
そっとドアを開けて中に入る。
一つのベッドにカーテンが掛けられていて、
そこに郁が居るのだなと思った。
今出て行っているのか、救護の先生が居ないので、静かにカーテンを開ける。
そこには、白い布団を被った郁の顔が覗いていて、
去年見た寝顔より大人になった顔。
そっと近くに寄ってみれば・・・
突然布団がバサッと音を立てて、中から手が出てくる。
その手が私の腕を掴んで引っ張り、次の瞬間には・・・
ベッドの上で郁に抱きかかえられた私と、
目をばっちり開けて私を見る郁。
「引っかかった。もう逃がさない」