侍ヴァンパイア
ほんとーーー変な奴ーーー



「手当てなんて必要ねーよ


…すぐ治るから」


リボンをほどいて見せたーーー



「ほんとだ…もう治ってる」



「俺は丈夫だからな」



そー言って、俺は座り込んでる女の手を引き上げた


長めのスカートをパンっパンっと叩いてこっちに向き直るーーー




「ありがとうございます。


私、榎本 ゆうなと言います。


貴方のお名前は?」



「…。キョウ」



「とってもいい名前ですね」



ニッコリと微笑んだ、その顔が、さっきまでのムスッとした顔と余りに違いすぎてーーー



俺は一瞬言葉を失ったーーー



「キョウさん!お腹空いてるんですよね?」



「さんはいらねーよ、堅苦しいし、


その敬語も何とかしろ」



少し戸惑いを見せながら、チラッとこっちを確認してくる、やっぱビビってやがるな、、、

まぁしゃーないか、



「じゃあ、キョウ、あの、、、ケーキしかないんだけど、、、一緒に食べる?」



差し出されたそれは、ケーキというより、得体の知れない物体と言った方がピンときたーーー




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