乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
「うん、色々恐いこと平気でやっちゃうから見てて怖かったって」
「…それだけ?」
「うん」
眉間にしわを寄せてあたしの顔を見てくる。
何か聞かれて困るようなことでもあるのかな。
「美優さんと陸さんって…実は付き合ってたとか?」
半分冗談まじりに聞いてみた。
心臓はすごくドキドキしている。
「そんなんじゃねーし」
陸さんは単車のタイヤをしゃがんでみている。
表情はよく見えなかったけど、動揺している様子はない。
まぁ、陸さんが動揺したりすることってまずないんだけど。
それからは違う話になって、陸さんはいつものようにあたしの家まで送ってくれた。
その夜、気になって栞に電話してみた。
『奈緒久しぶりぃ!』
「久しぶりだねっ栞勉強頑張ってる?」