乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
『頑張ってるよぉー毎日毎日まじしんどい!』
栞は最近ずっと猛勉強している。
だから前みたいにしょっちゅう遊んだりはできないんだけど、こうやってたまに電話したりしている。
進学して保母さんになるのが夢なんだって。
栞のその夢を、栞のお母さんも亮さんも賛成してくれて、応援してくれてるらしい。
優しくて子供好きの栞なら、絶対になれると思う。
『奈緒もバイト始めたんでしょ?今度行くからー!』
「う、うん…」
『…なんかあった?』
やっぱり栞はカンがするどい。
「実は今日バイト先でロッカーに入れてた制服がなくなってて…」
『ええ!まじで!?それって…』
「うん、誰かがやったのかもしれない。でも心当たりは全然ないの」
『誰かに言ったの?』