乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
俺と目が合うと、微笑んで小さく手を振ってきた。
早くその美優のしつこい客っつーのに会ってケリをつけてしまいたい。
ミーティングが終わると、嬢たちが俺に群がってきやがった。
「桐谷君って何歳!?」
「チョ~イケメンなんですけど!!」
「ねぇ、彼女はいるの?」
胸を寄せてきての猛烈アピール。
店長はこういうのを言ってたんだな。
悪いけど…俺はもうこういう事されると冷めてしまう。
昔の俺だったらちがかったかもしれないけど。
俺はキャバ嬢たちの言葉をスルーして厨房の方へと向かった。
すると、美優が追いかけてきた。
「やっぱりすごい人気だね」
「…」
「でも昔の陸なら受け入れてたでしょ?」
それを言われてどきっとした。
俺と同じことを思ってたから。