乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
そっとドアを閉めようとしたとき、その手が止まった。
中にいた嬢三人が美優の話をしていたから。
「あの女!絶対またあたしの客と寝たんだよ!昨日来たとき美優に指名変えやがったんだもん」
「マジ!またぁ!?超最悪!!枕営業してんじゃねーよ!」
「むかつくわー!ホスラブに書いてやろ!」
「あはは!いいね、“美優枕お疲れ”って書いてやれっ」
その時、後ろに気配を感じ、振り向くと美優の姿があった。
美優は気まずそうに俺から視線を外した。
「あいつさぁ、ちょっと可愛いからって調子のってるよね」
「わかるわかる!ねぇ、もっとあることないこと書き込んじゃおうよ」
「いいね!」
女どもは一つの携帯に群がって笑っている。
ダァアアアンッ!!!
俺は無意識にドアを蹴っていた。