乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
俺は仕事しながらも、常に美優の方に神経がいってた。
あんな真面目くせぇ男がストーカーしてんのかよ…
美優は横で営業スマイルをしながら接客している。
店が閉店となり、最後の客はやっぱり美優のあの客だった。
見送りの前、小走りに厨房の方にやってきた美優は俺の耳元でこう言った。
「前に言ってたストーカーの客ってあのお客さんなの。それで今日もアフター誘われて…断ったんだけどしつこくて」
「あー…わかった。今いくから」
美優が客を見送るのに店の外まで出たのを見て、俺もそのあとを追った。
外に出るとその客が美優の肩を無理やり抱いていた。
「本当に来てくれるんだろうね~??うんって言わなきゃ離さないよぉ?」
俺は美優の肩からその客の手をどかした。