乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】

「な、君は…」


客が俺の顔を見て驚いている。


「お客様、女の子にこういうことされると困ります」


「おい、俺は何度もここにきてやってる常連なんだぞ!?美優とも長い付き合いなんだよ、しらねぇのか!?」


「いえ、彼女も嫌がってますので」


「はっ…!?そんなわけないだろう!」


美優を見ると少し怯えた様子で俺の後ろに隠れた。


「あの…こいつ、俺の女なんで。前に美優から聞いていませんでしたか?」


「あ!?美優の男だって!?…本当だったのか!?」


客が美優に確かめると、静かに頷いた。

それを見て、頭に血がのぼったのか、客は美優の腕を掴み殴りかかりそうな勢いで詰め寄った。


「お前っっ!俺がどれだけお前に貢いでやってきたと思ってんだよ!?」


俺は客の後ろから肩を掴んで美優から離した。


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