乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
「てめぇ何度言わせればわかんだよ!?こいつにストーカーしてんのだって知ってんだからな!?警察沙汰になりたくなけりゃ二度と変な事すんじゃねぇ!」
客の胸倉をつかんだところで、店の中から店長やほかのスタッフが出てきて俺を止めた。
「おい!何やってんだよっ」
店長が後ろから俺を抑えている。
気づけば周りに野次馬も集まっていた。
「へっ…こいつはなぁ…客と寝て金稼いでんだよっ俺だって散々稼がせてやったさ…このアバズレ女め…」
「…このっ」
俺が再び殴りかかろうとしたとき、店長が客の近くまで行き、「お引き取り下さい」と頭を下げた。
それも綺麗な一礼で、その客が帰るまで頭を上げようとはしない。
それを見た客も周りの野次馬の視線が気になったのか、そそくさと帰って行った。