乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
「…ごめん陸…巻き込んじゃって」
「いや…こういうの慣れてっから別に」
美優がその場にしゃがみ込んで項垂れた。
「さっきの…あいつが言ってた事…本当なの」
「…あ?」
「客と寝てお金稼いでるって…」
さっき最後にあの客が言ってた事か。
「だからね…枕してるっていうのも本当。そうやって指名とったりもしてるの」
「…」
「ごめんね本当の事言わなくて…せっかく陸がかばってくれたのにね…最悪だよね」
弱々しい声で、美優は今にも泣きそうだった。
「…ふーん」
「…軽蔑したでしょ?」
「いや…してない」
「嘘!?」
「そんだけ必死に仕事してんだろ?俺は今日みたいに本人には面と向かって言えないくせに陰でこそこそ言ってるやつが一番嫌いなんだよ。だから言った。別にお前をかばったつもりはねぇ」