乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
「陸…」
「でもな、お前自分の事もっと大事にしろよ。お前の仕事のやり方にとやかく言うつもりねぇけど、あの客みたいに勘違いするやつだってほかにもいんだからさ…」
すると突然美優が立ち上がり、俺の胸に飛び込んできた。
「あたし…陸がやめろっていうんならこの仕事辞めたっていい…お金がなくても…陸さえいてくれればいい…」
美優の肩が震えていた。
「そういうこと言うなよ」
そうつぶやくと美優が顔を上げた。
「あたしじゃ…ダメ?もう一度陸とやり直したいよっ…」
そう言って俺の胸で泣きじゃくってくる。
美優の体は頑なに俺の側から離れようとはしなかった。