乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
「なに…」
「お前顔色わりぃじゃん、大丈夫か?」
「大丈夫だよ」
「てか喧嘩してた彼氏とはうまくいってるわけ?」
「いってるよ」
平然を装ってみたけど、康大には全部見透かされているような気がする。
「…へぇ。まだ浮かない顔してるからうまくいってないのかと思った」
「そ、そんなことないもんっ」
少し大きな声を出してしまったせいか、クラス中の視線が一斉にこちらに注がれた。
や…ヤバイ…
「藤沢、さっきからうるさいぞ」
今は現国の時間。先生はお怒りモードだ。
「す、すみません…」
隣を見ると康大が教科書で顔を隠しながらくすくす笑っている。
こいつーーーーーー!!!
お前のせいで怒られたじゃん!!
恨んでやるっ!
あたしが睨んでも康大は一度もこっちを見ようとはしなかった。