乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】


「ううん、別にそれはいいんだけど…陸さんってなんていう居酒屋で働いてんの?」


「んー…言ってもわかんねーよ」


「そうなの?場所は?あたし何にも聞いてないから…」


「西区の方」


曖昧な感じが気になったけど、陸さんは何ともないような顔をしている。


「なに?俺が変な事してないか気になんの?」


そう笑ってあたしに顔を近づけてくる。


「そ、そんな事ないけどっ…」


「おめーは気にしなくていーのっ。それにそんなに長く続けねーし」


「そうなの!?」


「ああ。頼まれたことだけやったら、やめっから」


頼まれたこと…?

この時期は居酒屋忙しいのかな…?


「奈緒」


陸さんにそう呼ばれた瞬間、キスされた。



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