乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
舞香がいなくなって急に心細くなり、泣きたくなってしまった。
さっきの忙しい感じ見ると不安になる。
あたしとろいし、どんくさいしやっていけんのかな…
その時、更衣室のドアが開いた。
そこには30代くらいの男性が立っていた。
黒縁メガネに髪はぴっちり固めてある。でもダサさはなくて、むしろそれがオシャレに感じた。
この人が店長かな…
あたしが勢いよく椅子から立ち上がると、「ああ、座ってていいよ」と笑顔を向けられた。
その笑顔に少しだけほっとした。
「あの…藤沢奈緒です!よろしくお願いします!」
「店長の白石です」
そう言って名刺を渡されたので深くお辞儀をしてみた。