乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
仕事って言ってたけれども。
それじゃ陸さんを探ってるようでなんか嫌だ。
「そういうことしたくない…」
「でも気になんだろ?ここでホントに働いてんのか。なんで隠してんのか」
確かに気になる。
もしかしたら何かあたしに言えない事をしてるのかもしれない。
最近、そんな風に陸さんを疑ってしまう自分がすごく嫌だった。
「おし、決まり!んじゃ行くぞ」
そう言って立ち上がってレジへと向かった。
「え…ちょっと!」
そう言いながらも、行ってこの目で確かめたいと思ってる自分もいるわけで。
あたしは康大の後を追った。
外へ出ると辺りはすっかり暗くなっていた。
「ご飯ごちそうさまでしたっ」
「おう!お返し期待してっから!」
「お返し!?」
ハハッと康大が笑い、手に持っていた名刺を見つめていた。