乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
そうだったんだ。
康大の事だから、キャバクラも経験済みなのかと思った。
あたしがふふっと笑うと、
「やっぱ笑ってた方いいな」
と、優しい笑顔で言われたから思わず真顔に戻してしまった。
康大はたまにこういう照れる様なことを平気で言ってくる。
これが彼の軽い部分なのだろうか。
こんな事異性に言われたらきゅんとしちゃうもんね…
アイスティと、ジンジャーエールは二杯もおかわりしてしまった。
一向に陸さんの姿は見当たらないし、時計の針は夜中の2時を回っていた。
だんだん睡魔に襲われてくる。
向かい側に座ってる康大もちょっと眠そう。
お酒が入ってるから余計眠いんだろうな。
「お店が閉店するまで粘る気?」
「当たり前だろー!せっかくここまできたのにっ!キャバ嬢や黒服が帰るときはそこのドアから出てくるだろうしな」
そう言って眠そうな目をこすっている。