乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】

黒いスーツ姿の陸さんは、いつもと違って見えた。

すごく色気もあって、大人の男って感じ。

こんな時でもドキドキしてしまう。


「どう?やっぱあれ彼氏か?」


横にいた康大が、あたしに問いかけた。


「うん…」


やっぱりキャバクラで働いてたんだ。

ショックは隠しきれなかった。


ふと陸さんの横にいた女性を見たとき、あたしは自分の目を疑った。


…美優さん!?


いつもよりメイクは濃いけど、美人だからすぐにわかった。

どうして…!?

綺麗なドレス姿の美優さん。

美優さんもここで働いてるの!?


混乱して、頭がパニックになる。


すると、陸さんと話していたお客さんが何やら騒ぎ始めた。

何と言っているのかはハッキリ聞こえなかったけど、ものすごい剣幕で陸さんに怒鳴っている。




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