乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
康大があたしの頭をポンポンと、撫でた。
「今は気にしないで泣けよ」
そう言って立ち上がると、少し離れた所にある、ブランコに座った。
康大なりに、気を遣ってくれているのかな。
そのおかげで、あたしは思う存分泣くことができた。
体の水分が全部蒸発しちゃうんじゃないかってくらい。
今は何も考えられない。
いや、考えたくない。
しばらくして、やっと涙が止まってきた。
止まってきたと言っても、ふとした瞬間に、再び涙があふれ出てくるんだけど。
メイクはほとんどとれたと思う。
涙を拭いたティッシュが真っ黒だったから。
目も腫れていそうだし、こんな顔誰にも見られたくない。
その時、後ろから熱い物が頬に当たった。
「ひゃ!」
横を見ると、温かい缶コーヒーがあった。