乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
「まぁ昨日の夜は俺も遅かったし別にいいけど。今日は何回も電話してんだぞ?」
口に煙草をくわえて、あたしの顔を覗き込む。
その綺麗な瞳に、心臓がドキンと跳ね上がった。
「具合わりーなんて、嘘だろ?」
陸さんに嘘はつけない…かも。
てかあたしはすぐ顔に出ちゃうし、嘘つくのが苦手なのかな…
黙っていると、「どした?」と聞かれたので、咄嗟に下を向いた。
「…なんでもない」
「またかよ。なんでもなくねーだろ、なんか機嫌悪くね?」
そう言ってあたしの頭を撫でてきたので、思わずその手をはねのけてしまった。
だって昨日この手で美優さんを…
陸さんは少し驚いていた。
「なに?俺なんかしたわけ?」
今ここで昨日の事を言ってしまおうか。
そしたらこの気持ちもすっきりするのかな…