乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
「あたしの事守ってくれて嬉しかった。陸はいつでもあたしに優しくしてくれるの」
「でも…今陸さんと付き合ってるのは…あたしです…」
声が震える。
「うん、わかってる。でもね、あたしの方が陸の事理解してると思うんだ」
「…理解?」
「知ってた?彼ね、今でも乱華のみんなと走りたいって思ってるんだよ?藤沢さんのせいで、陸は無理してる。自分に嘘ついてるんだって、あたしにはわかるの」
みんなと走りたいんだって事はうすうす気づいていた。
でも…あたしのせいで陸さんがそんな思いをしてるだなんて、考えてもみなかった。
「陸はあたしの前だと楽だって言ってくれた。本当の自分をさらけ出せるからだと思う。あたしは藤沢さんが陸と出会う前から、陸の事知ってるから」
そんな事…本当に言ったの…?
あたしと一緒にいるとムリしちゃって疲れるって事…?
陸さんの事、知らぬ間に苦しめてたの…?