乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
あたしはもう何も言えなかった。
立ち上がり、その場を後にした。
ふらふらして、どこをどう歩いて帰ってきたのかもわからない。
美優さんの言葉がエンドレスに頭の中を駆け巡っている。
陸さんは美優さんを助けようとあたしに内緒で働いていた…
それはまだ美優さんに未練があったから。
陸さんの事、わかっているのは自分だけなんだと、自惚れていたのかもしれない。
そのせいで、陸さんの少しの変化も、気づけなかった。
あたし達の幸せは、永遠の物なのだと、なぜ信じてしまったんだろう。
愛は脆く、こんなにも儚いものなのに。