乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
「えっだって…!!」
康大がいつまでも笑ってるから、怒ることができなかった。
あたしの事を好きだなんて、ありえないよ。
だっていつもあたしをバカにしたりしてたし…
でも最近やたらと優しい康大に、少し違和感を感じていた。
あたしはそれからというもの、作業に集中できなくて、何度も康大の方を見てしまった。
その度に康大は顔を上げ、「そんな見んなや」と、苦笑いを見せた。
「あのさ…考えといてよって言われても…あたし…」
「あー待って!」
断ろうとしていたあたしの言葉を、康大が大声で遮る。
「その先の言葉はまだ言わなくていいわ」
「え…」
「今すぐって事じゃねーし、ゆっくりでいいから考えてて」
「康大…」
「俺、結構藤沢の事わかってるつもりだから」