乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
確かに康大はあたしの考えてることがよくわかるみたい。
いつも見ていてくれてるってことなのかな…
そんな康大に、ドキドキしたことないって言ったら嘘になるけど。
陸さんしか恋愛経験がないあたしにとって、康大の告白とキスに、更にドキドキしてしまっている。
こういう気持ちになりたくないのに…
どうしよう。
全ての作業が終了したのは19時過ぎだった。
あたしがもたもたしてしまっていたせいでもある。
外は真っ暗になっていて、あたし達は急いで昇降口へと向かった。
「ごめんね…最後の方あたし全然進まなかった…かも」
あたしの言葉に、靴を履きかえていた康大がふっと笑い出す。
「別に?てか俺がその原因を作っちゃったわけだし。こっちこそごめんね?」
再びドキドキしだす胸を手でぎゅっと押えた。