乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
外は桜の花びらが散ってしまうほどの強い風が吹き付けていた。
春だといっても、まだまだ夜は寒い。
「今日はまじで送るわ。この前は逃げられたけど」
そういえばカラオケの帰り、康大に送るって言われたけど断って、逃げるように帰ったんだっけ…
あの時もあたしの腕を握ってきたりして、ドキドキするような事するから…
「あ、あれはちょっと急ぎの用事があったから!」
「まぁ、いーや。今日は送らせてよ」
優しい口調で話す康大に、どう返したらよいのかわからない。
調子が狂っちゃうな…
2人で門の方へ歩いていくと、門の所に人影があったので驚いた。
だんだん近づいていくにつれ、それが誰なのかはっきりわかった。
陸さん…!?