乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
壁に寄りかかりながら遠くを見つめて煙草を吸っている。
どうして学校に…
気まずい別れ方をしてから、連絡もろくにとっていなかった。
どうしよう、今は康大もいる。
さっきのキスが一瞬頭をよぎる。
急に罪悪感が押し寄せてきて、動揺してしまう。
「…なぁ、あれって…」
隣にいた康大も、陸さんに気が付いたようだ。
「うん…」
その時、陸さんがこちらを見たので、あたしは走って陸さんの元へ駆け寄った。
「ど、どうしたの急に…」
「…おめー、携帯見てねーだろ」
その言葉にハッとして、バッグの中にあった携帯を取り出す。
見ると陸さんからの着信が何件かあった。
学校だったから、マナーモードにしたままで気づかなかった。